ご縁あって、まことクラヴ主宰の遠田誠氏が、実験的舞台芸術プロジェクトをHUNCHにて創作しました。遠田氏自身が以前から蒲田をご存知ということで、場所の特性が取り込まれた内容となり、普段とは違うHUNCHの顔を見せていただきました。
ーーーーーー以下、『&ルフィン/断片集』よりーーーーーー
『&(エンド)ルフィン』は、場の要素を巧みに作品内へ取り込むサイトスペシフィックなダンスパフォーマンスを多数手掛けてきた“まことクラヴ”主宰の遠田誠が、次代へ向け新たに試みる実験的舞台芸術プロジェクトです。
日常を遮断し、パフォーマンスを純粋培養する劇場ではなく、敢えて非劇場空間を選び、街の雑多な要素(気配、物音)すらも作品に内包。薄皮一枚隔てつつ実生活と地続きに展開していく。対する舞台上は、構成する要素を最小限に絞り込み、ミニマルと猥雑が混在する独創的な異界を創出します。
表題の「断片集」からはアリストテレスを想起させますが、これは全く別のお話。振付と即興との境界を行きつ戻りつするダンス、有名な事件をベースにした創作寓話の朗読、男の独り語りに呼応する女の独舞、一つの椅子を巡る無言劇…それらのシーンが次第に重なり合い、全く異なる表情を見せてゆく。記憶を分解し、その断片を誂え直すように果てしなく再構成されてゆく終わり無き物語。その一端を切り出し、提示する時間となるでしょう。
映画監督としても近年注目を集める俳優・菊沢将憲と、次代を切り開く気鋭のダンサー3名を迎え、パフォーミングアーツの新たな地平に挑みます。演劇とダンス。近しいようでいて実は全く相容れない、異なる二つの身体表現を、作曲家・井上裕二の音楽がとりなしつつも撹拌していきます。
『&ルフィン/断片集』
日時 :2017年12月16日(土)・17日(日)
構成・演出:遠田誠
振付・出演:菊沢将憲、酒井直之、鈴木綾香、中村駿
音楽・音響:井上裕二(Dill)
照明 :久津美太地
宣伝美術 :太田博久(Golzopocci)
演出助手 :鈴木綾香
協力 :住吉智恵(TRAUMARIS)、原口佳子(モリブデン)、牛川紀政
制作協力 :永野沙紀
写真 :宮本雅通
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